息栖の森
鹿島潟 沖洲の森の ほととぎす
船をとめてぞ 初音ききつる
藤原時朝
鹿島潟 沖洲の森の ほととぎす
船をとめてぞ 初音ききつる
藤原時朝
利根川を上下する船人にとって、息栖神社の樹叢(じゅそう)は「息栖の森」といって目印とされていました。
うっそうと老木大樹が天高く盛り上がり松・杉・椎・樫が空を覆う様は、霊気が肌に迫り古代の雰囲気を感じさせます。
御神木は樹齢およそ1000年の夫婦杉。途中から幹が分かれ、寄り添うようにそびえ立つ巨木です。
三笠宮様崇仁親王殿下ご参拝(昭和5年7月)の折に記念植樹された「宮杉」と「宮桜」は、桜開花時期になると本殿と美しく調和し、参拝におとずれる人の目を楽しませてくれます。
境内にはいくつか縁起の良い樹木があります。
4月には御衣黄(ギョイコウ)がかわいらしい花を咲かせます。咲き始めは淡い緑色がかった珍しい桜で、次第に中心部が赤く染まっていくのが特徴です。幸運をもたらす精霊が宿るとされる招霊(オガタマ)の木は、5月頃に小さく可憐な花を咲かせます。
那岐(ナギ)の木はその名が「風がやんで海が静まること=凪(なぎ)」に通じます。穏やかにすべてが円満に収まるよう、和ぎ(なぎ)のパワーを持つとともに、その葉は縦方向に引っ張っても容易に裂けないことから、古くから夫婦円満や縁結びのお守りとされているのです。
※境内の樹木の枝や葉を折って持ち帰ることはご遠慮ください。